肩疾患第3弾はSLAP損傷をご紹介します。
あまり、聞いたことがない。という方が多いかも知れませんが、野球障害では多い疾患なのでご紹介致します。
【SLAP損傷とは?】
肩関節上方の関節唇の事を言い
S:Superior(上方)
L:Labrom(関節唇)
A:Anterior and(前と)
P:Posterior lesion(後ろの損傷)
の略です。※なかなか難しいですね・・
そもそも肩関節唇とは?
肩関節に付着している繊維軟骨組織でクッションのような役割をしています。
そして、この関節唇上方には、上腕二頭筋長頭腱も走行・付着しておりこの部分に負荷がかかり関節唇の付着部が剝がれてしまった状態をSLAP損傷と言います。
野球はもちろんですが、バレーボールなどオーバーヘッド肢位にもっていく事が多いスポーツに好発します。
【発生機序】
野球動作の場合、投球動作のコッキング期後期に肩関節が外転・外旋強制された際に生じやすいと言われています。
ですが、リリース期やフォロースルー期での痛みが発生することもあり、また上腕二頭筋長頭腱の牽引による原因も報告されています。
上記はあくまでも、野球などのスポーツ外傷での発生機序になります。
たとえば、転んで手をついた際、コンタクトスポーツ中に腕を引っ張られた際なども起きることがあります。
【症状】
・コッキング期からリリース期にかけての肩の引っ掛かり感、や疼痛、不安定感を生じます。
・O‘brien test Crank testにて陽性となる
画像参照
【当院での治療】
まずは物理療法(超音波ハイボルト・MCR)での消炎鎮痛・疼痛コントロールを行います。
野球選手の場合、肩後方(棘下筋・小円筋)のタイトネスの場合が多く、その場合『上腕骨頭前方変位』になっていることが多いです。
そうなると、引っ掛かり感が出ることが多いため、肩後方の筋肉のリリース手技も同時に行って行きます。
他の疾患でもお伝えしいますが、肩以外に原因になることが多いため、治療後はリハビリにて改善を行って行きます。
投球フォームのコッキング期にて、肩甲骨の後傾不足や胸椎の伸展不足(胸を張れていない状態)が生じていると、肩関節は過度の外旋を強いられることになります。すると、上腕二頭筋長頭腱による牽引力や捻れの力が上方関節唇に強く働き損傷される可能性が高くなると考えられます。
それを防ぐために、肩甲帯エクササイズや胸椎エクササイズ、インナーの強化などを図っていきます。
ただ、損傷の程度によっては手術適応となる場合もあるため、その可能性がある際には整形外科にて精密検査を実施していただきます。
【その他】
野球疾患の治療後は、リハビリがメインとなりますが、当院は野球に特化したコンディショニングメニューも行っております。 詳細は、インスタグラムに掲載しておりますので、ご不明点等ございましたらお気軽にご連絡ください!
筆者 柔道整復師 鈴木 拓夢
宮町鍼灸整骨院
〒980-0004
仙台市青葉区宮町2-1-47阿部幸ビル2F
022-268-0855
【Instagram】
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