五十肩の目のツケドコロ・実際の施術について

9月6日にUPした五十肩の記事の続きです・・・だいぶ時が過ぎてしまいました。

まず、前回のあらすじは?と言いますと、


五十を過ぎて・・・「あれ?肩が痛い」「腕を上げようとすると痛い」と感じたら、躊躇することなく病院に行ってしっかり検査してもらい、本当に五十肩なのか、それともそれ以外・・・例えば腱板断裂などではないか、診断してもらいましょう!

ということが一点。そしてもし五十肩であれば「一発で治します!」とかいった怪しげなところに行かず、じっくりと誠実な対処を行える

・・・例えば当院のような・・・

ところに行って腰を据えて治していきましょう!ということでした。


というのも、五十肩は一時的な痛みを本質とするものではなく、レントゲンには映らなくとも間違いなく器質的変性は生じています。これを本人の治癒力を発揮して回復させないことには治癒には至りません。

ただし、痛みは神経で感じるものですし、そこには血流も大いに影響していますので、これらをコントロールすることで一時的に痛みを緩和することは可能です。

しかし、残念ながらこれだけでは治癒とはなりません。翌日にはまた痛みが再発していることでしょう。

確かにこの神経や血流の操作はとても重要なアプローチになりますが、これで終わってはなりません。ここから治癒に至るまでのやや遠い道のりをしっかりと誘導して差し上げなければならないのです。

東洋医学で言うと、この神経や血流の操作、さらには患部本体である肩関節や筋肉へのアプローチは「標治法」に当たります。即ち「対症療法」として重要な部分です。

では「本治法」は何か?

ここがさらに重要なところで、五十肩になったそもそもの原因・・・変性が起きてしまったメカニズムを推測し、そこにアプローチすることです。

そこには内科的な問題も含まれます。

例えば、年齢。

これは病院に行ってもよく言われがちなことかと思いますが、

「まー年だからしょうがないね」とかすぐに言われてしまいます。

でも「年だから」何だっていうのでしょうか?それがどういうことなのか突き詰めて考えずに、当然のように聞き流して終わりなのではないでしょうか?

もっと「年」によって起こった変化を見つめましょう。「年」であっても人それぞれ千差万別、どのような変化が起こったが故の不調なのかをもっと着目すべきなのです。



そこに内科的問題・・・

各内臓機能のバランスはどうか?どこかに疾患がないか?明らかな機能低下あるいは亢進がないか?

自律神経のバランスはどうか?それに伴う内分泌機能の状況はどうか?

栄養状態はどうか?食欲や排泄の状況、血液成分の状況はどうか?ミネラルバランスはどうか?

などなど、身体に生じたあらゆる変化を見つけて分析します。

イメージ的には、年齢によってこのような変化が生じた・・・と言うより、

これら様々な変化が関連しあいながら生じた結果が、年齢=老化と考えます。


例えば、女性の肩の痛みで、どうやら五十肩のようである場合でも、

その方が更年期障害の症状も見られるときは、女性ホルモンの分泌の低下(エストロゲン等)で、全身的な靭帯の緩みを引き起こされることがあります。

それが関節の不安定性を呼び、代償的に周囲筋の硬化させ、そのような下地が出来上がってしまっている状態から、些細なキッカケや無理がたたると五十肩に発展することがあります。


かたや、同様の肩の痛みであっても、乳腺炎の既往などがある方だと逆に女性ホルモンの分泌過多が想起され、その原因として肝臓における内分泌コントロールの異常が可能性として挙げられます。

肝臓の機能が思わしくない場合、体感的には右側がズシーンと重く感じるようになり、それが右肩のコリや痛みとして現れることもあります。また“肝は筋を主る”と云われ筋の硬化や機能不全へとつながり、これもまた下地として出来上がってしまいます。

肩の痛みであっても、追求していくと全く正反対の下地であったりもするので注意が必要な所以です。

それを鑑別して、五十肩に至ったそもそもの原因・・・体の中で密やかに起こっていることをみつけて、まずそこからアプローチしていく、そのような視点でもって取り組むのが私たち治療家の本分です。

そうした上で・・・

自律神経調整の鍼灸

内分泌調整の鍼灸

体性内臓反射を利用した鍼灸

あと栄養指導なんかも地味に超重要だったりするので、これもマスト。

そこまで済んで、ようやく神経や血流、そして筋肉に対する治療を行う・・・

まあ、実際は同時並行で行うことが多いですが、結構果てしない道のりですが、ここまで遡って考えていかないと根本治療にはならないと考えています。



執筆者 鈴木一誠

 

宮町鍼灸整骨院

〒980-0004 仙台市青葉区宮町2-1-47阿部幸ビル

【Instagram】
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