不眠症の鍼灸施術(前編)

睡眠はどんな治療にも勝る最強の自己修復システムですが、皆様は快適に満足のいく睡眠が取れていますか?

これが上手くいかないと、いわゆる“不眠症”と言われるわけですが、ただ眠れなくてツライ!というだけでは済まず、先に述べました通り、自己修復システムも同時におかしくなってくるので、様々な愁訴が現れたりします。

正に“不眠”は万病のもとになりかねない超重要な要素なのです。

ごくごく一時的な不眠は、健康な人にもよく起こるものです。

例えば・・・・

先のこと、未来のまだ起こっていないことに思いを馳せ、心配で眠れなくなる。(寝床でそんなことを考えても何の解決にもならないのに・・・無駄ですね)

あるいは・・・・

過去に経験した恨みつらみ、あーしとけば良かったこーしとけば良かったといった後悔の念に駆られてモヤモヤして眠れなくなる。(寝床に入って、過ぎ去ったことを思い返しても過去は塗り替えられないのに・・・無駄ですね)

とにかく、寝床に入ったのになぜか脳はフル回転!睡眠に適した脳波はすっ飛び、バリバリのβ波MAX。これで寝つけるわけがありません。

また、疲労し過ぎても脳波の興奮収まらず寝つけませんし、食べ過ぎやカフェインの摂取など飲食でも眠りにつけなくなります。

このような原因のある程度はっきりした不眠であれば、通常すぐに・・・少し日数がかかっても数日から2週間くらいで元に戻ります。(もちろん原因がある程度解消されていればの話です)

ところが、原因不明だったり、原因がずっと解消されることなく、不眠が長期間に渡って長引いてしまった場合、だんだん日中にも眠気や倦怠感などの不調が常態化し始めて、日常生活に支障をきたすようになります。

このような慢性化した不眠状態が3か月以上続いた場合、「不眠症」と診断されます。

不眠症と言っても、いくつかパターンというか種類があります。

①布団に入ってもなかなか寝つけない(30分~1時間以上かかる)・・・・・これを「入眠困難」といいます。

②いったん眠りについても、途中で何度も目を覚ましてしまう・・・・・これを「中途覚醒」といいます。

③起きるつもりの時刻より大幅に早く目覚めてしまいその後眠れない・・・・・これを「早朝覚醒」といいます。

④眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない・・・・・これを「熟眠障害」といいます。

大まかに分けてこれら4パターンがあります。病的にまったく睡眠することができないとかは除きますが、これら4つのうち、どれか一つ、あるいはいくつか複合して現れます。

どれも慢性化するとつらいですし、健康にも重大な影響を及ぼします。

原因は様々です。不明なケースも多いですが、これも大きく分けて4種類あります。

温度や明るさ、騒音、枕などの環境要因

年齢、性差、痛みや痒み、頻尿などの身体要因

悩みやイライラ、ストレスや緊張による心的要因

カフェイン、アルコール、食べ過ぎ、薬の副作用などの生活習慣要因

の4種類です。

この中で、鍼灸施術でよく対応するのは、身体要因と心的要因のものです。

というか、体感的に言うとほとんどが身体要因+心的要因の複合タイプのような気がします。

次回は、そのタイプの不眠に対してどのような施術を行っているか?です。

執筆者 鈴木一誠

 

宮町鍼灸整骨院

〒980-0004 仙台市青葉区宮町2-1-47阿部幸ビル

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