20代女性
【事故概要】
信号待ちで停車中に後ろから追突され負傷。事故に遭って3日目に当院を受診。
警察を通しての事故の処理は行っている。相手方保険会社さんとの連絡はすぐに取れており、今後の通院先を連絡するように言われている。
整形外科を受診するように言われたが、そもそも整形外科領域の怪我をしたことがほとんどなく、どの病院へ行ったらいいのか分からず友人を通して当院を知りご来院いただけました。当院で施術を行いつつ、協力をいただいている整形外科で経過を診ていただく形で対応いたしました。
【症状】
頭痛・起き上がり時のめまい・首の痛み・腰の痛み・仰向けに寝ると足先へ痺れが出る。
【既往歴】
出産歴あり。
【所見】
〇頚部の筋緊張(++)回旋制限あり 上肢への神経症状(知覚鈍麻、MMTで僅かに脱力)あり
スパーリングテスト(-) 胸郭出口症候群の各種テスト(-)
自覚症状として目の奥の痛み、後頭部の痛みあり
〇腰部の動きとして痛みは誘発するも、どの動作も可。ただし、仰向けで寝ると右下肢へ神経症状誘発。(臀部から足先へ痺れ) FNS(NP) SLR(腰部へ症状誘発あり)
膝蓋腱反射(正常) アキレス腱反射(減弱)
ニュートンテスト(+) ゲンスレンテスト(+) パトリックテスト(+)
【処置・経過】
〇初診時
SOTブロックといって自重で行う安全な骨盤矯正による整復と消炎鎮痛目的のマイクロカレント通電を行い、頭痛やめまいといったバレー・リュウ症候群様の症状もある事から低刺激な施術を行いました。
また、検査所見においては仙腸関節にトラブルが考えられるが、交通事故以前には症状が皆無であったとのこと。出産後にケアを行えておらず、あまり経ってないことから安定していない関節に負荷がかかり症状が起こったと考えました。2回目の施術以降では当院で提供している「産後の骨盤矯正」を施術プログラムに組み込みながら仙腸関節部の安定を図るように行いました。
〇数回の施術と整形外科での投薬によって頭痛の誘発が軽減していきました。
さらに施術を繰り返すことにより起床時のめまいの誘発消失、寝ている姿勢での下肢の痺れが消失し、天気の変化や気温に左右される事も無くなり治癒とさせて頂きました。
〇今回のポイント
バレー・リュウ症候群とは、むち打ちに起因して自律神経症状を呈している状態です。
自律神経症状は簡単に消失しにくいことが多く、今回は一過性の緊張によるものと考えられます。すぐに症状が改善されたことは施術者としてもとても嬉しく安堵いたしました。
また、下肢への神経症状についても症状が残存することなく改善に至った事は何よりでした。
交通事故の補償において、通院の根拠となる為に重要なのは初検時から一貫として症状が続いていること、理学検査において陽性所見が明確であることです。
骨折や他覚的に明確な外傷が無いむち打ち等に関しては、医師及び接骨院の先生にしっかり症状を訴え、カルテに明記してもらう事が必要です。けっして大げさにではなく・・・
今回のケースでも最初の症状は長引く可能性も想定しながら、改善に努めました。
その中で施術開始から3か月を迎えることがなく完治を迎えられました。
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